管理業務を渡り歩く男のブログ

Management-works Blog Site

農業を始めてみようか?(1)

「農業を始めてみようか」と思ったきっかけ

生い立ち

このブログの管理人は北陸のコメ農家の息子です。父の代までは日本の典型的な農家であり、所有農地もほぼ全国平均レベル。1967年生まれの私は、これまた典型的な話で、農家を継ぐことなく東京にてサラリーマン生活。ただし、田植え、収穫などはお手伝いに帰省。両親が高齢となり、自身で農業が難しくなった後は、地域の営農組合や農業法人などに農地を預託しております。
預託により得られる収益は固定資産税程度、つまり、事実上ほぼゼロとなりますが、預託により、農地を放置しておくことによる様々なリスクを回避できることから、経済合理性があると考えておりました。

私の田舎の現状

営農組合と規模の経済性の状況

営農組合とは、複数の農家(=組合員)が、それぞれ所有する農地と出資金を出すことで設立され、共同で作物の生産を行う組織です。田植え、刈り取りなどは共同で、また、日々の水管理や除草などは個々の農家が行い、収益は農地や出資金比率により配分されます
その売上規模は、水稲農家の場合で、1ha(=100m×100m、なお日本の農家の平均的な所有面積です)で100万円程度(出荷ベース)です。なお、ここによくマスコミなどで騒がれるいくつかの交付金が30万程度追加されます。つまり、学校のグランドの数倍の広さの土地から得られる収益は、130万円です。なお、稲は勝手に生えてくるものではありません。田植えから稲刈り、精米などに労務費、肥料、除草剤、機械費などがかかります。となれば、利益など言わずもがな赤字となります。
実は、ここまでの話は数十年前からさほど変わりません。ここの農家は農業だけでは難しいから、兼業農家となっていたのですから。
より大きな問題は、営農組合などにより規模を集積した場合でも状況が改善しないことです。
てもとに、作付面積が30haの営農組合の財務諸表(H30年)があります。

売上   3,000万円
製造原価 材料費 760万円
  労務費 70万円
  経費 1,420万円
粗利   750万円
販管費   150万円
営業利益   600万円

なるほど、パッと見れば営業利益率20%あるのでよいのかな、と思うのですが、労務費が70万しかはいっていません。アメリカの平均的な農家より広い30haの農地を年間70万の労務費でどのように管理しているのでしょうか?
これは、どう考えても現実的ではありません。まともに労務費が計上されていないとみるほうが合理的です。なお、実際の財務諸表では、この営業利益の下の営業外収益に 交付金等として1,000万円近く入ってきます。これと営業利益600万円を合わせた1,600万が労務費と仮定すれば、
「稲作は、30ha(=550m×550m)を3人で回して、売上の1/3程度の補助金が入って、ようやく収支トントンなビジネス」
ということです。

⇒ この事実を理解できる人間が稲作農業を志す可能性はまず、ありません。このため、営農組合を中心となって進める若い人間もおりません。農業法人化の話も進んでおりますが、基本的に補助金などの助成が多少増えるだけで、構造的な違いがありません。

(ちなみに、コメの収穫量は1haあたり、5500㎏程度です。30haで3000万の売上ですから、1㎏あたりは200円弱ですね。お米屋さんでのお米を買えば、ブランド米でも10㎏4000円から5000円ほどです。流通に4割程度コストがかかるとすれば、上記の数値も、より現実感をもって見ていただけると思います。)

福島県農家出身の友人との出会い

営農組合が立ちいかなくなれば、どこに農地を預託すればよいだろうか、アグリビジネスなどに企業が興味を持っているので、そういうところが買い上げるのだろうか、、、等ぼんやりと考えていた矢先、会社の友人から、故郷の福島県で、おじいさまからきゅうり栽培を教わることにした、と話しを聞きました。
彼とは年齢が二回りほど、つまり親子ほど違うのですが、境遇も似ているため、非常に興味を持ちました。
福島県の農家の方にしてみれば、コメつくりは北陸などのブランド米に勝てないので、野菜の割合を増やしているとのことでした。しかし、その一方で、そのブランド米を作っている側の財務諸表は、上記のように「破たん懸念先」どころか、「隠れ破たん」している企業のそれです。
「隣の芝生は青く見える」はお互いさまなので、野菜の売上などを調べてみますとコメとは全然違う売上・コスト構造が見えてきました。
その詳細は、今後、違う記事にしていこうと思いますが、決して、「土地さえあれば年間数百万もうかる」ビジネスではありませんが、上記の営農組合より、ゴーイングコンサーン、つまり、事業継続性を確保できるビジネスモデルを作成する可能性は高いと感じるものでした。

・・・というわけで・・

福島の友人とともに、個人農業のビジネスモデルを検討、作成してみようかと思います。その過程は、できる限り、このブログで紹介していければ、と思っております。

ビジネスモデルの前提条件

作付面積:20アール(土地は所与のものとする)
初期費用:200万~300万
場所:福島県を前提

 

Leave a Reply

Your email address will not be published.

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>