転職を考えたら、考えるべきことはいくらも出てきます。もちろん、今のところ以外ならどこでも、ということもあるかもしれませんが。
このブログでは、私の幾多の経験から、転職する前に考えるべきことを紹介していきますが、まずは「生涯賃金」です。転職前後の給料、年俸ではありません。
例えば、給料以外に、退職金(=年金)によって大きく生涯賃金は変わってきます。そして、実は、その仕組みは企業によって大きく異なっていますので、生涯賃金もかなり変わってきます。
「やりたいことがやれるなら、おカネなんて二の次」という方もいらっしゃるでしょう。実は私もそうです。けれど、経理、財務、経営企画などで日々、投資効率などを気にする人間がそれでよいのでしょうか?答えは否、でしょうね。では、せめて、自分のやりたいことは、どの程度の”生涯賃金”を犠牲にして得ようとしているのか、理解してみませんか?
それを知ることもまた、冷静に転職を考えることにもつながります。
本項目では、転職をする際に留意すべきことの一つである生涯賃金を算定する手法を紹介します。
もっとも、あなたの将来の給与は、今の、或いは転職した先の企業の将来の経営状況やあなた自身の評価・査定によって大きく変化するため確実に予測することは難しいものです。
しかし、「確実な金額」を予測する以前に、そもそも自分の生涯賃金にはどの程度なのか、何が関係するのか、イメージがわかない方が多いのではないでしょうか?
そこで、このサイトでは、簡単なシミュレータを使って、あなたの生涯賃金はどの程度か、また、何が原因でどの程度変わりうるのか、ざっくりと見ていただきたいと思います。
ただ、もしよろしければ、以下をご覧いただき、生涯賃金の全体像を把握してみてください。転職の面談においても、自分が聞くべきことが幾つか見えてくると思います。
生涯賃金とは何か
いわゆるサラリーマンが生涯にいただける収入とは主に以下となります。
1.毎月の給与や賞与
給与・賞与の話をする際に、「額面」か「手取り」か、などという言葉を耳にすることがあるかと思います。
給与は、会社とあなたの間で給与として取り決めた金額から、”源泉徴収”として以下の項目が差し引かれた(控除された)金額があなたの口座に振り込まれます。
- 健康保険料厚生
- 年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税
- 住民税
この「会社とあなたの間で給与として取り決めた金額」が「額面」、実際にあなたの口座に振り込まれた金額が「手取り」と呼ばれています。
上記のうち、所得税、住民税に関しては、扶養家族の有無などにより変わり計算が複雑となりますので、このサイトでは考慮しません。
また、健康保険料なども、基本的には、給与・賞与の金額の一定割合となりますが、加入する健康保険の違いなどの理由によって、その割合は若干の違いがあります。このサイトでは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料を合計して、16%と仮定しております。
2.企業からもらえる退職金(企業に退職金制度がある場合)
現在の企業や転職先の企業における退職金制度の有無は、生涯賃金において非常に重要な割合を占めます。しかし、採用の面接をしておりましても、それを認識されている方は非常に少ない、という印象です。
企業の退職金制度は、以下の2つに分類されます。
- 確定給付型
退職金、或いは、退職後に年金として毎年支給される金額が、勤続年数や最終給与額などにより、予め固定されている制度。
従業員に退職金として支払われる額(=給付額)が確定しているので、確定給付型。かつては企業年金の主流であったが、企業側のリスクが大きく、現在は大きく減少している。 - 確定拠出型
企業が、将来、従業員の退職金や年金として支払う金額を、毎月、決められた金額だけ、積み立てていく制度。積み立てた金額を、どのように運用するか(預金とするか、投資信託を買うかなど)は、従業員に委ねられる場合が多い。
その運用の巧拙によって、従業員の退職金や年金として受け取る金額が異なる。
企業が積み立てる額(=拠出額)が確定しているので、確定拠出型。
なお、確定拠出型の場合、企業によって、その拠出される金額を「毎月の給与」の「額面」に含めている場合と、含めていない場合があります。
もし含めている場合は、含めていない場合に比べて、「額面」はその金額分大きくなりますが、「額面」から控除される金額(あなたの口座に振り込まれる際に差し引かれる金額)に確定拠出金額が含まれていますので「手取り」は変わりません。
含めていない会社は、「給与」以外のところで、例えば、年金ポイントなどという形で、各従業員が自分のために拠出された金額を把握したり、運用方法を管理・変更できるようになっているはずです。
3.個人で積み立てた個人型確定拠出年金(個人型確定拠出年金に加入している場合)
個人で、貯金、株や金不動産の購入その他の方法により、老後の資金を蓄える方法は様々にあります。このサイトは、そのような財テクのサイトではありませんが、転職を考える際、特に、退職金制度の無い企業への転職を考える際には、必ず候補として検討すべき制度が、個人型確定拠出年金制度(iDeco)です。
個人型確定拠出年金は、企業型の確定拠出年金と異なり、自分で個人型確定拠出年金の口座を解説し、自分でその口座に指定金額を振り込む必要があります。
生涯賃金として考えた場合、毎年の給与の「手取り」から、その振込金額が減りますが、その分+運用利息が、個人型確定拠出年金による退職金が増える、ということになります。
結果としては、運用利息分が増えるだけ、ではありますが、30年などの長い時間では、それがどのような金額となるのか、シミュレータで確認いただければと思います。
その効果をふまて、転職を契機に加入を検討されるのもよいと思います。
4.公的年金
毎月の給与、賞与から差し引かれていた厚生年金保険料に対する対価として、65歳以上に支給される国民年金、厚生年金です。
これらの金額も、実際に支払った保険料に応じて(=もらえる給与額に応じて)変わりますが、本サイトでは、この金額は考慮していません。
それでは、次回は、あなたの生涯賃金をシミュレートしてみましょう。
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