中堅・中小企業のための

ベンチャー企業への投資について

昨今のベンチャー投資の背景と問題点

この記事を書いている2018年6月現在、2017年度の上場企業の利益が大幅に増加していることが報道されています。それは大変素晴らしいことですが、管理部門で実際の数値をみておりますと、単純な売上増加というよりは、以下の要因によるところもあるように感じられます。
(あくまで、管理人個人の意見となりますことをご承知おきください)

 

  • 1945年から1955年生まれの方が雇用延長時期が終わるとともに、その代替要員として契約社員が増えたため、人件費が売上高比で数%低下した。
  • 株価の上昇による営業外利益が増加した。
  • 研究開発費が著しく低下した。

アベノミクス第一の矢(大胆な金融政策)により株式価格水準は上がり、第二の矢(機動的な財政政策)により様々な補助金などの恩恵を直接的、間接的に企業も受けているのですが、大量に雇用されていたベビーブーマーがいなくなり、人件費が下がった影響が一番大きいような・・・
もっとも彼らへの退職金がGPIBを経て、株価市場に流れ込んで、株価を押し上げてくれたのですが・・・
危惧しているのは、企業の本質である経営力、経営管理力は、何も変わっていないのではないか、ということです。

 

というのも、企業内に内部留保であるカネが増加したとなれば、そのカネは寝かせておくだけは何も収益を上げられませんので、開発投資や売上拡大のためのヒトの採用、他社への出資や買収などに使うことになります。しかし、投資ですから、必ずしも確実に利益を上げられるわけではありません。だから、ポートフォリオを組み、様々な分散投資をすることが推奨されます。

 

かつて、ほんの15年ほど前まで日本企業は大きく、自前主義でした。これは、自社で苦労して採用し育成した人材こそが最高であり、彼らに投資することが最も期待収益率が高い、という判断であったと思われます。
しかし、今はどうでしょう。自社で開発することに自信をなくした日本企業は、こぞって、企業内ベンチャーキャピタルを作成し、設立後間もない企業へ投資しています。
上記で述べたような人件費が減り、研究開発投資を減らしてうかせたおカネを、ベンチャーへ振り向けています。

 

確かに今では、一流大学を出てすぐさま起業したり、ベンチャー企業へ入社する方も非常に増えました。投資の分散幅が広がったのは投資収益の安定に意味があることです。

 

しかし、自社の研究開発投資とベンチャー投資の収益を同じ投資評価軸で捉えている企業がどれだけあるか、といえば、はなはだ疑問です。自社の研究開発投資は、非常に細かすぎる予実管理のもと、少しでもずれると大騒ぎする一方で、ベンチャー企業が予想収益から大きくかい離しても「ベンチャー企業とはそういうもの」とわけしり顔の経営や経営管理も多いのではないでしょうか?
これでは、自社の開発はますます委縮し、一方で大した制約もないベンチャーは、自由ではなく気ままとなって、まともなアウトプットが期待できなくなります。

 

日本のベンチャーへの投資規模は米国に比べ非常に小さく、投資をもっと奨励すべきだ、という声を耳にします。しかし、少なくとも私の投資する分野では、ほぼ同じステージの企業価値をみると、日本のほうが高く評価されている場合が多い。本当に実力が高いのであればいい(もちろんそういう企業もあります)のですが、投資する側が、「投資することが目的」となってしまっていることにも、その一因があるように思えます。

 

結局、その時、その時の流行りすたりで投資しているだけで、自社が最高と考えていた昔と、経営も経営管理も本質は何も変わっていないのではないか、ということです。

 

ベンチャー企業評価の考え方

(工事中)

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