働き方改革について
2016年ごろから、残業時間に対する社会の関心が高まるとともに、政府の規制も厳しくなってきました。もちろん、それ以前にも、ずいぶん早い時期(おそらく90年代中ごろ)から、日本企業の労働生産性の低さは指摘され続けており、日本企業の国際的地位の低下とあいまって、待ったなしの状況となったと考えるほうが自然であるとも思われます。
本ページでは、長時間残業対策や生産性の向上として、どのように取り組むべきか、働き方改革の具体的な方法を示しております。
また、もし、このような残業対策に失敗して、従業員に訴えられた場合にどうなるのか、どのような対策を講じられるのか、に関しても記しております。
働き方改革の具体的な方法
「法制度の対応」において留意すべき点
上記の3つのアプローチの中でも、まずは、「法制度への対応」として、実時間の把握から開始される場合が圧倒的に多いと思われます。
実際に実施してみると、各自の裁量で出社時間、退社時間を操作していることも多く、特に、残業時間を削減する方向に各自が自主的に記入している場合も多いのですが、労働基準監督署から調査が入った場合は、PCの立ち上げ、シャットダウン時刻などと比較されてしまいますので、従業員が”良かれ”と思って実行した操作が、思いもよらない結果(=企業が残業隠ししているなど)になってしまいますので、注意が必要です。
「人事制度や管理の見直し」において留意すべき点
この見直しでは、就業規則、給与規則などといった各種規則の見直しが必要となりますので、導入までにはそれなりの時間がかかります。就業規則の変更は、従業員代表の合意や労働基準監督署への届け出も必要となります。
主な勤務時間制度
主な勤務時間制度としては以下のものがあります。
- 実時間管理
就業規則に記した始業時刻、終業時刻から、出社時刻、退社時刻に応じて、労働時間を把握する最も一般的な方法。なお、予め、一定残業時間分の残業代を前払いとして、月次給与に含める場合も多い。このような前払いの場合でも、その時間を超える残業代は支払う必要があるため、実際の始業、終業時刻を把握する必要がある。
- フレックス時間管理
始業、終業は、コアタイムとして設定された時間以外に各自がフレキシブルに決めることができる。一般的には、月間の総労働時間を就業規則に定め、各自がそれを達成するよう調整する方法。
管理の観点からは、「労働時間を把握する」という点では実労働時間と大きな差がない。 - 裁量労働制
就業規則に定めた始業、終業時刻によらず、別途、労使協定で定めた時間を労働したものと”みなす”制度である。管理側が実労働時間を把握する必要がないが、この制度を適用できる業種は法律にて限定されている。
- 事業場外みなし労働時間制
営業など事業場外で労働するため、始業、終業時刻を把握できない場合に、労使協定により定めた時間を労働時間として”みなす”制度である。管理側が実労働時間を把握する必要がないが、何か問題があった場合、本当に、管理者が始業、終業時刻を把握できなかったのか、議論となる場合がある。
なお、裁量労働制や事業場外みなし労働時間制など、労働時間を”みなす”場合は、そのみなし時間が実態と即したものであるかに関して、十分な検討と、実績の把握を継続的に実施することが、万一従業員とトラブルとなった場合のリスク管理となります。
勤怠管理システムが、クラウドやスマホの普及により、従前より格段に安価になった現在では、実際の始業時刻、終業時刻を把握する方法を導入したほうがメリットが大きい、と思われます。
また、裁量労働制や事業場外みなし労働時間制を採用する場合、就業規則に追加する項目の例をこのファイルに記します。
管理監督者について
また、このような労働時間制度を検討する場合には、必ず、管理監督者と、管理監督者以外の境界の検討が俎上に上がります。
管理監督者は、基本的に
- 経営者と一体的な立場で仕事をしている
- 出社、退社時刻などに関して厳格な制限を受けていない(自分の裁量によるところが大きい)
- その地位にふさわしい待遇がなされている
といった条件を満たしている必要があります。なかなか主観的な判断も入るので、トラブル時になった場合は議論となるところですが、事前にできる対策としては、以下を強くお勧めします。
- 管理監督者の給与は、それ以外の方とは大きく差をつけておく
具体的な金額基準はありませんが、トラブル時には、上記の3つの判定基準において、もっとも客観的な会社側の主張となります。
「労働時間改革」において留意すべき点
労働時間改革、生産性の向上とは、個々の従業員の能力拡大もさることながら、結局のところ、従業員の有機的な結合である業務プロセスの改善によるところが大変大きいと思われます。
労働時間を削減できる可能性の高い業務を抽出し、削減の可能性を複数の観点から検討し、システム導入や組織改革、意識改革といったサポートのもとに、業務プロセスを改善していくことこそ、労働時間改革と思われます。
一方で、業務プロセスの改善は、他の2つのアプローチに比べ、現場の業務そのものを変えることになるため、影響範囲も、うまく行かない場合のリスクも大きくなります。経営管理者は、そのリスクと、もたらされる効果を検討し、実行の是非を判断する必要があります。
本ホームページでは、業務プロセスの改善 を別章で詳しく説明しています。特に
にて、それぞれ説明しておりますので、ご参照ください。
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