業務課題の検討
業務課題の構造を探る
検討フェーズにて明確となった課題(例えば、一人当たり売上が落ちている、稼働率が低いなど)は、AsIsの業務プロセスの可視化の中で明らかとなった各業務プロセスの課題と決して無関係ではありません。
例えば、「市場の嗜好が変わって」、或いは、「予期せぬ競合他社の出現で」売上が落ちてきたなど、一見すれば業務プロセス改善できない課題のように見えても、「なぜ、自社は市場の嗜好についていけないのか?」、「なぜ、自社は競合他社ほど安く作れないのか?」ということを検討すれば、マーケティングの業務プロセスや、製造の業務プロセスに、何かしらの課題があることに気づくのではないでしょうか?
「業務課題のルートコーズ(根本原因)は何か?」とはよく、経営コンサルタントの書物に出てくる言葉と思いますが、”論理的な”想像だけでこのルートコーズを探るのはとても難しいことです。
そこで、私は、AsIsの業務プロセスにおける小さな課題が、どのようにして大きな「業務課題」となってしまうのか、と考えるようにしています。
このエクセルファイルの”課題”ワークシートには、AsIsの可視化ページにおいて業務プロセスを可視化する際に発見された課題を記載しています。
これを、ISM法と呼ばれる分析法で解析した結果を図示したものを以下に記します。
ISM法は、様々な項目の因果関係を整理することで課題を発見するアプローチです。なお、さきほどのエクセルファイルでも、簡単にISM法を実施できるマクロを組み込んでおります。
次に、この分析結果をもとに、会社の業務課題の構造に関して検討します。
以下の図をご覧ください。
上図では、この会社の業務課題の本質を、ISM法の結果をもとに、「営業」と「保守員の業務」と「在庫管理」に”ざっくりと”分類し、それが売上と利益率の低下を引き起こすシナリオを仮説として作成しております。
ISM法の分析結果は、インプットしたデータから数学的に導出されたものです。そのインプットデータに漏れた情報は当然、結果には反映されません。ISM法の結果に過剰に固執することなく、また、無視することもなく、上手にその結果と対話し、検討チームの経験と知識と照合しながら、課題の構造を単純化し見極めることが肝心です。
業務課題に対する対策方針を立てる
構造分析により分類された各課題に対して、それぞれの「対策」と「対策の実現可能性」を検討します。
以下は、上記で分析された課題に対する対策方針です。
対策の詳細は、後述のToBeの設計で実施しますので、ここでは、様々な具体的な対策を俎上にのせ、その実現可能性を比較検討することが中心となります。
具体的な対策として主に上がる項目と、それぞれの長所、短所を以下に示します。
対策例 |
長所 |
短所 |
|---|---|---|
| 業務フローの新設、或いは改善 |
・ 改善効果がイメージしやすい
・ コスト負担が少なく、早急に着手しやすい |
・ 業務フローの改善だけでは飛躍的な生産性向上などの改善効果は望めない
・ 負荷が増加する部署から反発があることも多い |
| 情報システムの利用 | ・ 情報の可視化・共有、作業の自動化・支援などにより、生産性が飛躍的に向上する可能性が高い。 | ・ 導入のために、作業的、コスト的な負担が大きい |
| 組織と役割の変更 |
・ コスト負担が少なく、早急に着手しやすい
・ 適材適所を実現できれば最も投資対効果が高い |
・ 「ヒトをかえれば何とかなる」といった安易な考えだけでは、効果が出ないだけでなく、社内の混乱を拡大する |
| 従業員の意識改善 | ・ 他の対策に比べ、最も時間的に早くに効果が現れる | ・ 意識改革による生産性向上は他の方法に比べ、限界が低い |
また、実現可能性においては、主に以下の点に関して、想定した対策がクリアできるかを検討します。
- 対策実施に求めらる「最低限の効果」の実現(バッドケース)
- 対策実施に許容されるコストの制約
- 対策実施にあてがわれる人的資源の制約(人数、知識・経験量等)
- 対策実施に与えられた時間の制約
関連ページ
- 業務を改善する具体的なステップ
- このページでは業務プロセスの効率化を実現する手法やツールを紹介しています
- 業務プロセスのAsIsの可視化
- このページでは業務プロセスの効率化を実現する手法やツールを紹介しています
- 業務プロセスのToBeの設計
- このページでは業務プロセスの効率化を実現する手法やツールを紹介しています
- コストモデルと予測財務諸表の作成(1)
- このページでは業務プロセスの効率化を実現する手法やツールを紹介しています
- コストモデルと予測財務諸表の作成(2)
- このページでは業務プロセスの効率化を実現する手法やツールを紹介しています
- 経営管理指標の設計
- このページでは業務プロセスの効率化を実現する手法やツールを紹介しています


