経営管理活動その2 : 経営資源を迅速に調達・移動すること
経営は、判断を実行に移す=経営資源を動かさないと何も始まらない。
では、どれだけ動かすか、それを見誤ると非効率となる。
経営資源を動かさなければ何も始まらない
経営層から何らかの経営判断が示された場合、それは、これまでとは異なった部署にヒト・モノ・カネを投入することを意味しますので、全社の経営資源の配分を変更することになります。
例えば、もし、ある事業や特定の製品の売上を伸ばそうとの経営判断がなされれば、営業員を増加させ、商品在庫を積み増す必要があるでしょう。この増加させる要員や在庫が、「経営判断に伴って追加で投入する経営資源」です。
このように経営資源を動かすことによって、初めて、「経営判断が実行にうつされた」といえます。
しかし、ヒト・モノ・カネを実際に調達したり動かしたりするには、
- 調達先の選定や購入対象の評価
- 社内の様々な稟議の作成
- 労働契約の変更や労働協定の見直し
- 従業員や銀行への説明
など本当に様々なステップが必要となります。これらのステップに関しては、人事部や経理財務部などの現場は通常の業務として熟知していますが、「既存の業務にはない処理」や「部署をまたがる連係」には弱い場合が多く、迅速な実行には、彼ら現場の活動を統括する必要があります。
「経営管理」の基本活動の二つ目は、経営判断が示された場合に、現場をサポートし、時には現場の先頭に立って、経営資源を迅速に展開(=動か)したり、外部から調達することです。
経営の実行には、動かす経営資源の量や効率に関する目利きが不可欠
どのような企業であっても社内の経営資源には限りがあります。一方で、外部からヒトやモノを調達するには相応のカネがかかります。いずれにせよ、無尽蔵に経営資源を投入できるわけではなく、どの程度とすべきか予め決める必要がありますが、その際に有効な情報が、経営管理の基本活動その1で収集した「経営管理指標」です。
例えば、売上を一億伸長させたいとすれば、現在の一人当たり売上高によって新たに増員すべき営業員数が計算できますし、売上高在庫回転率によって、積み増す在庫数が分かります。その在庫を確保するために必要な運転資金も、買掛金回転率や売掛金回転率を考慮すれば予測できます。
また、もし増員も無く在庫も積みまさず売上の一億伸長を実行しようとすれば、一人当たりの売上高や在庫回転率を現状からどの程度改善しなければいけないのか、予測できます。
このように投入すべき経営資源の量や効率に関する検討は、迅速な経営資源の確保、ひいては経営判断の実現に不可欠であり、「現場」と「経営」の双方に通じた「経営管理」活動の重要なポイントでもあります。
そして、経営判断と、その実現に必要十分な経営資源の確保や展開シナリオを併せて経営戦略となります。
経営戦略=経営判断+経営資源の展開シナリオ
例えば、「今年度は、ある商品の売上を20%増加させる」は経営判断に過ぎず、この増加の実現ために、「営業員を10%増加させる」、「新しい営業ツールを導入する」などのシナリオがあって、初めて、経営戦略と呼べる、ということです。
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