収益構造の変化に気づく
企業や事業における売上と利益の関係を理解する
企業や事業の収益の仕組みを最も簡単に理解する場合、売上がいくらならどの程度の利益となるのか、といった大まかな収益構造を知ることではないでしょうか?
そのためには、一般的に売上原価と販管費として集計されている費用を、変動費と固定費として再集計し、損益分岐点や変動費比率を知る必要があります。
しかし、各月の売上やコストが収集できればサンプルデータの「売上高とコストの関係」ワークシートのように比較的簡単に、当該企業や事業の収益構造を知ることができます。
このワークシートは、横軸に各月の売上高、縦軸に売上原価と販管費の合計値をプロットし、売上高と合計値が一致する線(45度線)を追記したものです。
これによると、サンプルデータの企業は、売上高が4000万円未満であればコストがほとんど変化しない構造を持っている企業であることがわかります。
基本的に毎月2800万円を超える売上があれば営業利益を生みだせる一方、売上が下がってもコストを下げることが困難であることから、この企業にとって何より重要なことは毎月の売上を確保するための営業戦略であると言えます。
収益構造の「変化」に気づく
さて、このサンプルデータの収益構造の中で変化しているところがあります。
「売上高とコストの関係」ワークシートで楕円で囲った以下の部分がそれに当たります。
#1: コストが売上高に関係なく数百万円増加している月があります。
#2, #3: 売上高が4000万円を超えたあたりからFY15は変動費が増加していますが、FY16は変化していません。
これらの変化が、予算に盛り込まれたものであればよいのですが(これは、予算実績比較により明確になります)、そうでない場合は、「変化」ととらえ具体的な原因を認識しておく必要があります。
特に、#2, #3では、一人当たりの生産性向上などにより固定費で賄える業務量が増えたのであれば今後の売上―利益の関係が変わりますので、今後の営業計画や事業計画に反映すべき重要な「変化」である可能性があります。